第12回 カナダが誇るビーバー

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2016年9月1日 第36号

 9月に入りましたね。こちら首都オタワは陽気な夏も終わりを告げ新学期も始まることで身が引き締まる思いです。読者の皆さんはどうお過ごしですか?

 さて今回のまるごとカナダではカナダが誇るビーバーについて話したいと思います。ビーバーと言えば、5セント硬貨のデザインになっていたり、洋服ブランド『Roots』のロゴに使われてたり、日本にも去年上陸したオタワ発祥揚げパン、ビーバーテイルズなどで皆さんの日常生活でも馴染みのある動物ではないでしょうか。

 国を代表・象徴する動物のことを国獣というのですが、カナダの国獣にはビーバーが登録されています。国のイメージに結びつくだけに、なぜ熊のように強さを誇る、かっこいい動物にしなかったのかと思ってしまいますが、やはりカナダの歴史はビーバー抜きでは語れないのです。

 そもそもカナダには先住民が住んでいたのですが、16世紀に入りヨーロッパから交易人らがビーバーの毛皮を目当てに来るようになります。当時ヨーロッパではビーバーの毛を使ったフェルト帽が大人気で、交易人はナイフややかんといった日常品と引き換えに先住民からビーバーの毛皮を手に入れていました。ビーバーの毛皮の需要がカナダ国内に一気に広まるにつれ、ヨーロッパからこの未知の土地への開拓・移住が進み、現在のカナダという国の建国に繋がりました。要はビーバーの毛皮がきっかけでカナダができたわけですね。

 来年はカナダ建国150周年。日本を含め世界中からカナダが注目を浴びる年となりそうです。

トレーディングポスト(毛皮取引用の交易所)を再現したもの(Photo : Mako Ogura)

小倉マコ(ペンネーム)
兵庫県姫路市生まれ。新聞記事、コラム、エッセイ、本の原案、P R記事など主に日本人向けの記事を書くライターとして活動。コミックエッセイ
「日本びいきのハーフっ子と里帰り」イーストプレス「姑は外国人」角川書店の原作者
www.makoogura.com