第19回  メープルシロップの森 『シュガーシャック』

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2017年4月6日 第16号

 みなさん、こんにちは。3月になり気分はすっかり春になりましたが、外に出ると、まだ雪は残っているし、この原稿を書いている今日(3月22日)のオタワはマイナス13度と、まだ寒い冬が続いています。そんな3月ですが、私にとってはカナダに住んでいることを最も実感する時期であります。 それは、今の時期になるとオタワ近郊でメープルシロップを生産するシュガーシャック(砂糖小屋)が、オープンするのです。

 カナダのメープルシロップはケベック州、オンタリオ州、ニューブランズウィック州、ノバスコシア州の4州で搾取され、世界第1位の輸出量を誇ります。大半がケベック州から生産されたもので、おそらく皆さんの食卓に登場するメープルシロップもラベルをチェックしてみると、生産地がケベック州となっていることでしょう。

 メープルシロップは2月の末から4月の半ばに搾取されます。氷点下20〜30度の長い極寒の冬から春先の0度前後になる現在の急な温度差で、サトウカエデからメープルシロップの原料となる樹液が採取口を通して、木に設置されているバケツに溜まるシステムになっています。集められた樹液はシュガーシャック(あるいはシュガーハウス)に運ばれ、そこで沸騰させ濃縮し、メープシロップができあがります。

 

 バンクーバーに住んでいると、シュガーシャックと言われても、あまりなじみがないと思いますが、ここでは上記のようなメープルシロップの生産過程を公開したり、目の前でメープルシロップを煮て雪の上にシロップを落とす水飴『タフィー』を作ってくれたりします。また、大半のシュガーシャックでは朝食の食べ放題も提供しています。オンタリオ州側はイギリス系朝食、ケベック州側はケベック系朝食、と地域によっても朝食の内容が異なるんですよ。

 バンクーバーに住んでいた私たちにとっては、ケベック郷土料理がとても珍しく、ケベック側のシュガーシャックで、ひよこ豆のスープやクレープ、分厚いベーコン、そしてシュガーパイなどをいただきながら、今年もお腹いっぱいになってメープルシロップの収穫期をお祝いしてきました。読者の皆さんにも、ぜひ一度はシュガーシャックでカナダを感じてもらいたいです!

サトウカエデにはシルバーのバケツが設置。木に穴をあけて採取口を取り付け、そこから樹液がバケツに流れ出る仕組み。
シュガーシャックでは樹液を沸騰させ濃縮し、メープルシロップを作る
メープルシロップを煮て雪の上にシロップを落としてできる水飴『タフィー』

小倉マコ(ペンネーム)
兵庫県姫路市生まれ。新聞記事、コラム、エッセイ、本の原案、P R記事など主に日本人向けの記事を書くライターとして活動。コミックエッセイ
「日本びいきのハーフっ子と里帰り」イーストプレス「姑は外国人」角川書店の原作者
www.makoogura.com