第18話 妊娠

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2019年5月23日 第21号

 前回は、ひどいホームシックにかかった私がペットに助けられた話でした。今思うと、ハスキー犬のアイス君は、本当の意味での私の第一子だったかな。核家族で過ごした私、親戚ともかかわったことがほとんどなかったし、小さい子の面倒を見た経験がなかった。末っ子でいつもわがままだった私が、人のために我慢をすることはこれまでなかった。アイス君のお世話をはじめて、犬を赤ちゃんから育てることは、人間の赤ちゃんを育てるのと同じくらい大変なことに気づいた。生後2カ月のアイス君は食べない子で痩せていた。やってきた当時、ひどい下痢、どれだけ夜に何回も外にトイレに連れ出そうが、毎朝起きるとおしっことうんちがリビングに散乱している状態。それを掃除するところから、私の朝はスタートする。とにかくハイパー、一日中グルグル走り回る。ハスキーのエネルギーってホントすごいね。散歩は日に2回以上、リーシュを外すなんてしたら、一目散にどこかへ走り去って捕まえるのに一苦労。でもアイス君も1歳を過ぎるころには落ち着き、おりこうさんなワンコになった。

 ワンコママになって、毎日バタバタ過ごしていた私。結婚した当時から、ダダさんには、子供は絶対に30歳で産みたいと言っていた。ダダさんはというと、両親が共働きで、長男ということで、兄弟の面倒をいっぱい見た経験があるから、子供は当分ほしくないと言っていた。私よりも4歳も若い彼だから、私にはそれは十分理解できた。でも私的には、やっぱり若いうちに子供を産んでおきたいという、強い希望があった。ダダさんは、いつも私のことを大事に考えてくれる人だから、「涼子がそうしたいならいいよ」と言ってくれた。そして、何カ月かが経ったある日、当時私は29歳、ダダさんは25歳、私は第一子を妊娠した。最初に妊娠が分かった時、すごくうれしかった、で、どうやってダダさんに伝えようか迷った。そんな私が考え付いたアイディアは…ダダさんが仕事から帰って来た時に、アイス君の首輪にお手紙をくくり付けておいて、それに気が付いたダダさんがそのお手紙を読む、『もうすぐ僕はお兄ちゃんになります』って感じ。さて、実際にこのお手紙を読んだダダさんの反応は…「あー良かったね」だけ。サラーッとシンプルなコメントのみ。彼は正直な人、 きっと彼には父親になる願望は全くなかったし、子供を産むことに同意したのは、すべて私を幸せにするため。私は、ずっと分かってはいたけど、実はひそかに『抱き合って二人で感動的に妊娠を喜ぶシーン』を勝手に頭の中に描いていたものだから、正直がっかりした。とはいっても、念願の第一子、私の心は、しあわせな気持ちでいっぱいになった。ただその時の私には、その後の苦労なんて、全然想像することはできてなかった。 ♢

ドナルド涼子
BCRPA Fitness Presenter,Yoga Teacher.
48歳、愛知県出身、
2016年ベストインストラクター賞を受賞。43歳の時に、ボディービルのビキニコンペティションを趣味として始め、優勝、上位入賞する。フィットネスプロフェッショナルへの講習、地域の学校でのヨガ、フィットネス指導、心と体の健康と幸せの為の講演活動を行っています。
こんな肩書を持つ私ですが、若かった頃は、デブ、ネガティブ、ずっと自分の事が大嫌いだった。このコラムでは、そんな私が、どうやって健康で幸せな今の自分に変身したかのお話です。
涼子のフィットネスプログラムは、YouTubeもしくはNikkei TVにてご覧いただけます。
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