227「すごい」はやばい ?

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外から見る日本語

 先日ワクチンを接種し、副作用も無く先ずは一安心。しかしコロナ感染は依然として緊迫しており、外出も控えざるを得ない。オンラインによる授業やミーティングに楽しみを見いだして、先日も日本で日本語教師をしている卒業生と日本語教育などについて話した。ワクチン接種を伝えたら、「すごい痛かったですか ?」である。思わずびっくり。

 笑いながら彼女いわく、日本語教師になって、この「すごい」の使い方がすごく気になっているとのこと。若者だけではなく、世代に関係なく「すごいおいしい」や「すごいきれい」などのおかしな表現がかなり広まっており、日本語上級者から「間違いですよね」と質問されて困ってしまう…。なるほど。

 確かにこんな言い方は文法的には間違いであり、日本語教師としては「すごい暑さ」と「すごく暑い」の違いをしっかり教えて、「すごい暑い」はダメ。だから「すごくおいしい」や「すごくきれい」が正しいですよ、である。

 しかしこの話題はかなり昔にも聞いたことがあり、SNSなどの普及で、かなり拍車がかかっているようである。日本語教師としては困りものだが、でもなぜこんな表現が広まったのであろう。

 教師養成講座の卒業生や最近の受講生に聞いてみると、使っていると答える生徒もかなり多い。間違いだと分かっていても、「すごいおいしい」のほうが言いやすいからと答える人も、また、先に「すごい」と強調して、自分の感情を強く表したいときなどは「すごい困る」がぴったりするとのこと。えー、うーん。

 確かに、言葉は時代とともに変わり、新たに生まれる。この「すごい」だが、かなり昔は俗っぽい表現とされ、フォーマルな場面では使いにくかった。でも現在では使い方もどんどん変化している。であれば、「すごいうれしい」や「すごい困る」などもいつの日か一般的になる…、いや、もうすでになっているのかも?

 さて、「すごい」の漢字「凄い」だが、常用漢字としては音読みの「セイ」だけで「凄惨」などであり、残念ながら、訓読みの凄い(すごい)や凄まじい(すさまじい)は常用漢字に入っていない。それゆえ、公文書はひらがな書きだが、個人メールなどは問題なし。

 この漢字は部首「にすい」に「妻」である。なぜ「妻」が出てくるのか? 「にすい」は氷を表わしており、妻が氷を持つ形相は、ぞっとするほど恐ろしい。いえ、定かではござらぬ。 いつか「このお寿司、すごいおいしい、超やばいね」 こんな日本語を日本語教師として、教えなければ…。彼女と笑いながら思わず頷いてしまった。

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