《〜インドからバンクーバーへ ヨガ真髄の体験〜》

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ヨガと健康 第74回

(バンクーバー新報に20年以上掲載された、故、百々子・鈴木・パウルス師による人気コラムを、さらに加筆しながらヨガに関連した内容を連載しています。)

 インド…それは私の憧れの国。「貧しく、きびしい国」というイメージを超えて、そこには人間の原点に触れる何か、果てしなく大きいものがまだ残っているような気がするのです。その自然の空間に、この物質・文明社会からポーンとほっぽり出されたら、人間は何を感じ、発見するでしょう。

 もしかしたら、己を知覚する感覚がもっとシャープになるかもしれません。

 私が今、読んでいる本に日本の青年がインドを放浪した時の記録(「印度放浪」藤原新著、朝日新聞社)がありますが、そこからの一文を抜粋してみましょう。

 「体の生命力が右と左で違うな、ということを僕はインドにいる時に自覚したんだけど、僕の場合、左の方が確実に弱いとわかったわけです。僕の親父は今92歳で体型も性格も僕そっくりなんだけれども、見ていると左半身から死んでいっているなとわかります。左の機能の方がどんどん衰えていってます」

 ヨガを知らない方には、何でもないこの一文が私にとってはひどく驚きであり、感動でした。

 ヨガの語源が『バランス・調和』だとすれば彼は己がバランスを欠いていることを体感した…。

 ヨガの真意がアンバランスな肉体を/自己(内)の世界と自己を取り巻く外(大宇宙)界を/心と体の陰と陽をetc…の「バランスを取ることだ」とすれば、彼はヨガを知らずしてインドで過ごすうちに、インドで生まれ根付いているこの「ヨガの真髄」の最初の一歩を発見した…。「これはすごい!!!」と私は思ったわけです。

 この原感覚は自然から離れて生きる我々にとってどんどん鈍くなっている感覚。鈍くなればなるほど自然にもっているはずの生命力もどんどん鈍ります。

 そこで肉体の右と左をバランスよく使うことで、右脳と左脳/右側の偏りと左側の偏り/筋肉や神経のアンバランスなど…整え、この鈍くなった原感覚を磨き、生命力を強くするヒントをヨガのポーズで感じてみてください。

<ヨガの真意・バランス回復のポーズ>

1)仰向けに寝て、両腕を上に、両脚はそろえて伸ばす。

2)鼻から息を吸いながら「うーーーん」と伸びをする。

3)口から息を「ハァー」と吐きつつ、心も体もすべて力を抜く。(脱力時は床に落ちていく感じ)

これを基本にバリエーションを加えつつ「右・左」バランスよく伸ばし、全身を調整し、日常の不自然な緊張をとる。

4)右側の手首を左手で持ち、右側のみを吸う息で「うーん」と伸ばし、吐く息で脱力する。→反対の左側も同様に。

5)右側の手首を左手で持ち、右上半身と左下半身を吸う息で(対角に)伸ばし、吐く息で脱力。→反対の左側も同様に。

 バンクーバーにいながらにして、インド体感のポーズです。自分の内に外界(大自然界)からのエネルギーをスポンジのように吸収するつもりで行いましょう!

 うちからの声に耳を澄まし「右が固まっている」「左の生命力が弱そう」と体感したら原感覚発見の第一歩。己を知る一歩です。

≪和子からの一言≫

 今回の記事は、ヨガをしている私たちにとってはとてもうなずける内容でした。人の体は右も左も対称にできているとヨガをするまでは思っていたし、左右を比べることもありませんでした。しかしヨガを始め、ポーズをするたび、右の体と左の体の違いを大きく感じることができました。それは己を知ることであり、体の弱点を知ることでもあり、この原感覚に近い目覚めは、日々変わっていく私たちの体、細胞の一つ一つに注目する第一歩だと実感しました。ぜひ、ヨガを通じて、または日々の動作からこの原感覚を呼び覚ましてみてください。

合掌

~Kazuko YogaではMomokoヨガを継承し、シニアや初心者の方でもできるオールレベルのヨガを行っています~
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ヨガ・インストラクター 池側和子
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