本は出版社で判断できない~Never judge a book by it’s cover~

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今回から新報さんのコラム欄に掲載させて頂くことになりました岩崎ゆかりです。本好き、マンガ好きで日本では司書の資格もあります。が、こちらで活かせることはないだろうな、と思っていたら勤務先の仕事でバンクーバーの図書館に日本の書籍を年間1000冊以上選び、納品する仕事もさせて頂くようになりました。どこでどんなことが役に立つかわからないものですね。

さて、皆さんは読みたい小説をどう選んでいますか?好きな作家さん、あるいは賞受賞作または候補作など話題になったものから等、様々だと思います。日本では本の装丁で選ぶ方もいるようです。では出版社で選ぶ可能性は稀でしょうか?

装丁の可愛さと、本屋大賞に2年連続でノミネート作品に選出される等々、ずっと気になっていた青山美智子さんの『月曜日は抹茶カフェ』を読了しました。よく調べずに新刊ということで購入してしまい、後で2017年出版『木曜日にはココアを』の続編と知りシマッタと悔やみましたが前作が未読でも十分に楽しめます!

ホリーデーシーズン中も平常通りのシフトで勤務する自称ツイていない携帯ショップ店員が癒しを求めて喫茶店「マーブル・カフェ」を訪れます。月曜日が定休日と知り、やっぱりツイてないと思ったらお店の中から人が出てきたので、入ってみると「抹茶カフェ」フェアが開催されています。もしかしてツキが廻ってきたのかも、という展開です。

喫茶店に縁のある登場人物12人がつなぐリレー小説となっています。連作ですが章ごとに物語が完結しているので、1章ごと、隙間時間でも読み進められます。装丁は、ミニチュアアーティストの田中達也さんが手がけています。この装丁のミニチュアアートをじっくり見るといったい何を使ってアート表現しているのか大変、興味深いものがあり本の内容と共に楽しませてくれます。

学生の頃から読了した本のタイトルと著者の記録は付けていましたが、昔読んだ本の内容は結構忘れています。最近は未熟ながらもコラムなどの掲載の機会も頂戴していて、このままでは良くないと思い、簡易の読書記録を付け始めました。

『月曜日は抹茶カフェ』の読書記録を付けようと、タイトル、著者を書いたところで、出版社は「えっ、宝島社?宝島社って小説も出版していたの?!」と驚きました。宝島社と言えば、ファッション雑誌、付録付き雑誌のイメージが強いからです。同出版社から刊行されている小説には、ドラマ化された新川帆立著『元彼の遺言状』や、映画化された中山七里著『護られなかった者』もありました。私が無知だけだったのかもしれませんが…。

こう見ると本は内容だけではなく、装丁や出版社での本探しでも新しい出会いに巡り合えそうです!