スティーブストン日本語学校60周年記念 5

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スティーブストン日本語学校60周年記念を祝って 

 2020年〜2021年は、スティーブストン日本語学校にとって創立60周年記念の特別な一年となるはずでした。しかし、新型コロナウィルス感染拡大により、対面授業、学校での記念行事が行えず、とても寂しい記念の年となりました。(授業はZoom にて行われました。)そこで、別の形での記念として、保護者・生徒に向けて60周年記念ニュースレターを発行し、学校の歴史を伝える事にしました。

 今回「バンクーバー新報」でも記事を共有させていただきます。多くの方に本校の歴史とコミュニティへの貢献、本校の存在意義を知っていただけることを願います。

第5回: 日本とのつながり

 1960年の開校以来、スティーブストン日本語学校は、地元コミュニティに日本の言語と文化を普及するという使命を果たしてきました。同時に、様々な場面で日本とのつながりを大切にしてきました。

 まず特筆すべきは1989年の日本への研修旅行です。7月4日から13日まで、生徒11名と教師2名が埼玉県浦和市(現在のさいたま市)で研修旅行を実施しました。浦和市では、市内の小学校と中学校を訪問し、地元の生徒たちとの交流が実現しました。

埼玉県への研修旅行。Photo courtesy of The Steveston Japanese Language School
埼玉県への研修旅行。Photo courtesy of The Steveston Japanese Language School

 訪問の見所の一つは、初めての学校給食でしょう。元スティーブストン日本語学校ソサエティー会長の横山赳夫氏は、「(日本の)生徒達が当番で配膳から片付けまでやっていることに興味を持ったようである。」1と、カナダにはない学校文化を体験した生徒の様子を語っています。また、中学生は自分と同じ学年のクラスを訪れ、地元の中学生と机を並べて英語と社会科を勉強しました。この他にも日光訪問、東京見物など、盛りだくさんの日本滞在となりました。

被災者にクリスマスカードを届ける活動。Photo courtesy of The Steveston Japanese Language School
被災者にクリスマスカードを届ける活動。Photo courtesy of The Steveston Japanese Language School

 2015年12月には、「被災地にクリスマスカードを届けよう!」というプロジェクトに参加しました。このプロジェクトは、東日本大震災で被災した子供達を支援することを目的に、日本のある大学教授が始めたものです。2015年から、本校の生徒もクリスマスカードを作り、被災した子供達に送っています。(新型コロナ感染拡大のため2020年は除く。)明るく楽しいカードを送ることで、多くの悲しみや苦しみを経験した子供達を応援し続けたいと願っています。

 また、本校はリッチモンド市と協力して、毎年春に開催される「桜祭り」に積極的に参加しています。このイベントは、2017年春にリッチモンド市の企画で始まり、スティーブストンにある「ゲリーポイントパーク」で行われています。このパークには「神代曙(ジンダイアケボノ)」という種類の桜の木が255本植えられていますが、その最初の15本はB.C.州和歌山県人会によって植えられたものです。

 和歌山はリッチモンド市の姉妹都市であり、1800年代後半から1900年代前半にかけて移住してきた多くのスティーブストン日系人の出身地として知られています。リッチモンド市の桜祭りは、日本人の心に深く根ざしている「花見」の習慣に倣い、日本のシンボルである「桜」の美しさを地元住民に紹介しています。

 フェスティバル当日は、本校は着付けの場を提供し、毎年多くの参加者で賑わっています。参加者は、着付けに長けた本校ボランティアの協力で綺麗な着物を着た後、日本風の景色を背景に写真を撮ります。着付けの参加には本校への寄付金をお願いしていますが、素敵な思い出を求めて参加者も喜んで協力してくれています。着付け体験のほかにも、子供たちが折り紙や凧作りを体験する工作ブースも提供しています。

 これまでの60年間、地元コミュニティの、そして海を隔てた日本の家庭のニーズは絶えず変化し続け、本校も常にその変化に適応してきました。いつの時代でも本校の使命は以下の通りです。

  •  教育的なプログラムやイベントを通して、全てのカナダ人に日本の言語と文化を普及する。
  •  スティーブストンの日系コミュニティの歴史について、積極的に支持、擁護する。
  •  コミュニティのイベントなどに積極的に参加する。

 以上の使命を忘れる事なく、次の60年間もカナダと日本の人々の生活がより充実したものとなる様、これからも精一杯取り組んでいきたいと願っています。

参考文献:1 横山赳夫「訪日研修旅行について」(『しおかぜ2』、2011年、15ページ)

  •  入学並びに編入をご希望の方は、本校のウエブサイトwww.sjls.ca をご覧になって下さい。

住所:4111 Moncton Street, Richmond, BC (SCC と同じ住所)
電話:604-274-4374

(スティーブストン日本語学校ニュースレター委員会)