会員への便益や他団体との提携強化で、プレゼンスのさらなる向上を目指す企友会

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 企友会が1月31日、オンラインで年次総会と新春懇談会を開催した。年次総会では2021年度の会計や活動の報告を行い、22年度の理事選出、予算や活動計画などを話し合った。その後、懇談会でゲストとして出席した在バンクーバー日本国総領事館の経済担当、久田桂嗣領事に話を聞いた。

オンラインイベントが中心だった2021年

 2021年度は1月に、新春懇談会、「業界の声を聞くパネルディスカッション」を懇話会とZoomで共催。バンクーバーの日系ビジネスにおける主な業種に携わる人を招き、パネルディスカッション形式で、パンデミックでのビジネスの現状、見通しや戦略など「業界の生の声」を聞いた。

 そのほか、4月にもオンラインで「SDGsをチャンスにする」を開催。6月に日加商工会議所と共催でオンラインネットワーキング、10月に「東西をまたにかけるビジネスパーソンのコロナ禍での挑戦」セミナーをトロント新企会と共催した。

 新型コロナウイルス感染拡大により、2021年もオンラインでのイベントが中心だったが、7月の日加商工会議所と共催のゴルフトーナメント、12月の「日系ビジネスアワード&クリスマスパーティ」は「インパーソン」で開催することができた。

TEDや3MT手法の活用など、より質の高いイベントの開催、提携強化で会員増を目指す

 2021年の一部イベントは他団体との共催だったが、2022年もさらに他団体との戦略的提携を進める。それにより、23年末までに正会員と提携先メンバーの合算で300人と参加者数増を目指す。

 企友会は日系事業家や起業を目指す人を支援して、日系ビジネス社会の発展に寄与することを目的に1987年に設立された。カナダではこの35年間で起業のハードルが上がっている。これからはカナダで働きたい人など、広く門戸を広げて、インターネットでは分からない情報なども提供していく。

 また、より質の高いイベントを開催し、会員への便益を図ることで、「入ってよかった」と思ってもらえる団体を目指す。そのほか、日系以外のバンクーバービジネスコミュニティや、他地域のビジネス団体との交流を行い、共催イベントを企画していく予定。

 2021年10月のオンラインセミナーを共催したトロント新企会は、1978年に設立された独立した非営利団体で、メンバーのネットワークを通じてそれぞれのビジネスの発展・向上を目的としている。 新企会との共催は初めての試みだった。こういった試みにより、企友会のプレゼンスを高めたいという。

 また、企友会には、「バンクーバー寺子屋」という勉強会もある。海外で活躍する日本人が、将来のビジョンを分かち合うことで、参加者がともに学ぶことを目的とした塾で、2021年度には4回開催した。

 2022年度はTEDや、3分間で主義主張をしっかり伝える3MTの手法を導入して、参加者のプレゼンテーション能力を伸ばす。

 さらに年末のビジネスアワードは選考方法や賞の種類を大幅に見直していく。

 新たに会長に選出された岡本裕明さんは、「かつてはボランティアが活発に参加していた。そういった状況を復活させるためにも、ボランティアにも利点があるような活動を行っていきたい」「全く新しいイベントをやっていきたい」と抱負を述べた。「バンクーバーのビジネス団体といえば、企友会と呼ばれるようにしたい」という。

懇談会でバンクーバーの印象を語った久田領事

 続いての懇談会では久田領事が「バンクーバーに着任して感じていること」として実際に赴任以来感じていることを語った。久田領事は経済産業省出身でエネルギーや製造の分野に強いという。

 カナダは規制が少ないこともあり、特にブリティッシュ・コロンビア州には外国企業が多い。法人税がほかのG7諸国に比べて安いほか、海外からの熟練工の受けいれもハードルが低い。また、UBC(ブリティッシュコロンビア大学)、SFU(サイモンフレイザー大学)、UVIC(ビクトリア大学)などがあり、優秀な人材へのアクセスが容易になっている。

 一方、英語とフランス語の2カ国語が公用語で、商品のラベルも英語以外にフランス語も必要となっていることを挙げ、「コストなど準備が大変そう」と述べた。さらに先住民問題については課題のひとつだと感じているという。

(取材 西川桂子)

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