新型コロナ禍でも、安定・安心のサービスを

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~JALバンクーバー支店長、小田洋一郎氏に聞く~

コロナ禍真っ只中にJALバンクーバー支店長として着任した小田 洋一郎氏 ©Japan Airliens
コロナ禍真っ只中にJALバンクーバー支店長として着任した小田 洋一郎氏 ©Japan Airliens

 新型コロナ禍真っ只中の2020年7月に日本航空(JAL)バンクーバー支店長に着任した小田洋一郎氏に話を聞いた。

パンデミックでの人事異動

 いつバンクーバーにいらっしゃったのでしょう。
 着任したのは7月4日です。4月1日付けでの着任予定でしたが、新型コロナウイルスの影響でビザが下りるのに時間がかかりました。

 バンクーバーにいらっしゃる前はどのようなお仕事をされていましたか?
 前任は大阪で西日本地区の総務部長をしていて、近畿、四国、中国地方を担当していました。

 4月1日付けということは辞令はもう少し前でしょうか。
 そうですね、3月の頭には辞令は出ていました。4月いっぱいぐらいでビザが下りて5月には赴任できるだろうと思っていましたが、コロナの影響でWork Permitがなかなか下りず、3カ月大阪で足止めされました。

 コロナ禍での人事異動は大変でしたね。
 私の後任はロサンゼルスからでしたが、なんとか渡航が禁止になる寸前に日本に戻ってきました。前任の安部(省志氏)は私が来るのを待って、引き継ぎが終わった7月末に日本に帰国しました。

 私は海外勤務は3回目ですが、これまでと全く“勝手”が違います。

 着任したものの、現在は出張もできない状況です。通常はアメリカにもよく出張に行きますし、バンクーバー支店ではカナダ全体を担当しているので、トロントやモントリオールのお客様にもごあいさつに伺いたいのですが、まだできていません。

 今回で海外は3回目ということで、以前はどちらにいらっしゃいましたか?
 2002年~2005年まではオーストラリアのシドニー、2013年~2017年半ばまでフィンランドのヘルシンキにいました。ヘルシンキでは北欧および東欧15カ国を担当していて、出張が多かったので月の半分以上オフィスにいないような状態でした。

 カナダ人スタッフの印象を教えてください。日本と常識が違ってやりづらいことなどありませんか。
 バンクーバー線は既に就航50周年を迎えているので支店も成熟した感じがあり、これまで培ってきたことをベースにしてスタッフもプロフェッショナルとしてしっかり業務を行ってくれています。弊社のサービス姿勢や方針などもよく分かっているので任せて安心という印象です。

 自分の裁量でやってもらうところはやってもらう、基本となる部分はJALのサービス方針をベースに仕事を進めてくれています。

リスク回避の一方で、コロナ治療費補償ほか安心のサービスを提供

関西方面については「弊社はロサンゼルス発関空行きのフライトを週1便運航しています。現時点では3月以降ウェストジェット便でバンクーバーから同日乗継が可能となっています」 © Japan Airliens
関西方面については「弊社はロサンゼルス発関空行きのフライトを週1便運航しています。現時点では3月以降ウェストジェット便でバンクーバーから同日乗継が可能となっています」 © Japan Airliens

 今のところテレワークが中心なのでしょうか。
 私たちの場合、現場があって飛行機が実際に飛んでいるので、オペレーション部門は会社に出勤しています。

 ただ、感染者が発生したときに備えて、完全にチームを二つに分けて、出社を半々にしています。全員が出勤すると感染者が出た場合、全員が仕事に行けなくなるリスクがあり、飛行機を飛ばすことができなくなる可能性があるからです。

 私も飛行機が運航している日は極力出社するようにしています。

 新型コロナ禍でJALがこころがけていることは?
 まず機内、空港とも徹底した衛生管理です。マスク着用や消毒液配備、定期的な消毒清掃、ソーシャルディスタンス確保、機内の換気などです。

 さらにドイツの保険会社Allianzと提携してコロナカバーというサービスも行っています。安心してご利用いただくために、弊社国際線ご利用のお客さまに、渡航時に新型コロナ感染テストで陽性となった場合に医療費や検査費、入院や隔離費用を補償しています。

 JAL公式ウェブサイト内にて自主隔離措置でご滞在いただけるホテルプランや、公共交通機関の利用制限でお困りの方のために、ハイヤー、レンタカーなどをご紹介しております。ご参考にしていただければ幸いです。(https://www.jal.co.jp/jp/ja/info/2020/other/flysafe/protection-measures/isolation/index.html)

 私は関西出身なので、バンクーバーから関西方面への直行便がないのが残念です。特に現在、日本政府からの要請により、国際線到着空港から自宅まで公共交通機関を使用できないので関西に戻りたい人は帰国しづらい状況です。関西国際空港や伊丹空港への直行便があればと思います。
 現在は基本的に外国の方は日本に入国できませんし、日本のコロナの状況もなかなかよくならないので、積極的に動きづらいいのですが、主に関西ご出身の方々から同様のご要望をお聞きしています。関西への便についてはご要望が強いので、状況が改善次第、前向きに検討していきたいと思います。

 なお、弊社はロサンゼルス発関空行きのフライトを週1便(土曜日)運航しています。現時点では3月以降ウエストジェット便でバンクーバーから同日乗継が可能となっています。
 (ウエストジェットの運航スケジュールが変更された場合は同日乗継ができなくなる可能性があります)

 現在のJAL便利用者の状況を教えてください。
 今はお客様は通常の30パーセントぐらいに減っていますね。

 カナダにはアジア系移民が多く住んでいて、以前から成田からさらにアジア方面へ乗り継ぎされるお客様が多かったのですが、コロナの影響で今は日本行きのお客様よりシンガポールやインドネシア、フィリピンなどへの成田経由で利用されている方のほうが多いぐらいです。

 コロナ前は日本に寄って観光や買い物をされてから、香港や台湾、中国、フィリピンなどに行かれるお客様も多くいらっしゃいました。今はそのような需要を摘み取れないのが残念ですが、コロナが収束し、各国の入国規制が緩和された際、再びお客様にご利用いただけるよう、準備をしています。

 ポストコロナ、つまり新型コロナ後について、どのように考えているか、JALがどのように動くかなど教えてください。
 私がスタッフに常々話しているのは、状況がいつ、どう動くか分からないので、乗り遅れない、タイミングを逃さないなど、スタートダッシュできるように、日々お客様や旅行会社を通じて状況の把握に努め、準備をしておくということです。

 航空会社も新型コロナで大きな打撃を受けています。ポストコロナになると航空運賃が上がるのでしょうか。
 航空運賃は需要によって変わります。飛行機に乗りたいというお客様が増えれば運賃も上がります。しかしながらコロナが収束したからといって、一気に飛行機を利用するお客様が増えるかどうかは分からないというのが正直な気持ちです。

 最後に読者へのメッセージをお願いします。
 7月に着任して、本来なら皆様にごあいさつに伺うべきところ、まだできておらず、申し訳ございません。コロナ収束次第、お目にかかれるのを楽しみにしています。また、本来は毎日運航しているところ、現在、週3便の運航に留まっており、皆様にご迷惑をおかけしていることも併せてお詫び申し上げます。できるだけ早く元通りにしたいと考えていますので、引き続き日本航空をどうぞよろしくお願いいたします。

(取材 西川桂子)

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