バンクーバーにいながら和菓子のコーディネーターに

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和菓子コーディネーター、荻島美佐恵さん 前編

和菓子コーディネーターの荻島美佐恵さん ©Misae Ogishima
和菓子コーディネーターの荻島美佐恵さん ©Misae Ogishima

 今年オンライン開催されるJapan Fair Sakura Daysで、和菓子のデモンストレーションを行う荻島美佐恵さん。彼女のInstagramには練り切りをはじめとする繊細で美しい和菓子の写真が並ぶ。

 なぜカナダで和菓子なのか? カナダで和菓子づくりを始めた経緯など興味深い話を聞いた。その内容を2回に分けて紹介する。

 前編は和菓子コーディネーターを目指したきっかけなど。

“日本の色目”についてUBCで講演

 荻島美佐恵さんはバンクーバーオリンピックの前年2009年に、語学学習のためにカナダに来た。日本でも和菓子職人として活躍していたのかと思いきや、和菓子の勉強を始めたのは意外にもカナダ移住がきっかけだという。

 「私は学生のときに博物館学芸員の資格を取っていて、日本でも学芸員補助として働いていました。そんなこともあってでしょうか、UBC(ブリティッシュコロンビア大学)の美術学部(Faculty of Fine Arts)の大学院研究室で”日本の色目”について話をする機会をいただきました。日本にはすごくたくさんの色の名前があるでしょう、と」

 美術史も大学で学んだ美佐恵さんは、十二単を中心に日本の色目を学生らに説明した。そのときに「和菓子が大好きだった」ことから、和菓子の色や名前についても盛り込んだ。

 「和菓子好きが高じて、虎屋でアルバイトをしたこともありました。書道をしていたこともあり、店舗で熨斗(のし)を書いたりしました。大好きな和菓子に囲まれて仕事をして楽しかったです」

 今思うとUBCでの講演で和菓子の話をしたのは、何か縁があったのかもしれないという。「ほかにも色の話題はあったのに、和菓子を選んだのはなぜか、今思うと不思議な気がします」

和菓子コーディネーターに、正式な資格取得へ

繊細な美しの和菓子 ©Misae Ogishima
繊細な美しさの和菓子 ©荻島美佐恵

 カナダ移住をきっかけに、自分でも和菓子を作り始める。

 日本ではなくて、和菓子が手に入らないカナダにいたこともキッカケとなった。当初は自分で作って、自分で食べているだけだったという。「人目にさらすようなものではありませんでしたから」

ころんとした苺がかわいい、苺大福 ©Misae Ogishima
ころんとした苺がかわいい苺大福 ©荻島美佐恵

 一方、関心があったバンクーバー裏千家の門もたたく。3年前のことだ。「お茶室で和菓子を見ると、美味しい和菓子が食べたいという気持ちが抑えられなくなってしまいました」と苦笑する。

 「(茶道の)おけいこで先生が日本から持ち帰られたお菓子とかをいただくと、ますます食べたくなってしまいました」と、さらに和菓子の世界にのめり込んでいった。

 バンクーバーにいながらでも和菓子づくりのスキルを身につけたい、資格を取りたいという気持ちが高じて、調べて日本フードライセンス国際協会の和菓子コーディネーター講座にたどりつく。

 「通信コースだったので、カナダにいながら資格を取ることができました。日本の職人さんが教材を作っていらっしゃって、和菓子の作り方はもちろん、歴史や種類、材料、お茶の歴史と和菓子の関係など、実務と知識の両方を学びました」と楽しそうに当時を振り返った。

 1年間かけてコースを修了。和菓子コーディネーターの資格を取得した。

(後編に続く)

インスタグラム Misae(@misaeogishima)
日本人だけでなく、カナダ人でもいろんなバックグラウンドの人がフォローしているという。

O5 Tea
2208 W 4th Ave, Vancouver, B.C.
TEL: 604-558-0500
www.o5tea.com

サクラディ・ジャパンフェア 
例年はバンデューセン植物園で開催される。今年はバーチャルでの開催。和菓子のデモンストレーションもバーチャルで行う予定。https://www.vcbf.ca/community-event/sakura-days-japan-fair

(取材 西川桂子)

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