日本に一時帰国、入国体験をレポート18:12月3日羽田到着(後編)

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機内で配られた書類と検査後に渡された赤紙。Photo by © The Vancovuer Shinpo
機内で配られた新型コロナ対策用の説明書類と羽田空港での検査結果でCOVID-19陰性だった後に渡された赤い紙。Photo by © The Vancovuer Shinpo

 日本政府が3月に決定した「新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う水際対策強化に係る新たな措置」で、日本に渡航すると、空港からの移動には、公共交通機関(鉄道、バス、タクシー、航空機 (国内線)など)は使用できず、事前に家族らによる送迎、レンタカー手配するなどの移動手段の確保が必要になっている。(12月10日現在)

 これまで多くの入国体験を寄せてもらったが、今回は12月3日に羽田空港から入国した最新の体験談を寄せてもらった。日本では折しも新型コロナ感染者数が急増している中での帰国となった。

 後編ではいよいよ羽田で唾液検査体験。しかも申告書類に新しい試みが…

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機内で入国について気になることが…

 フィジカルディスタンスをしながら搭乗。飛行機が飛び立ってしばらくして機内で入国用の書類が配られた。

 全部で4枚。加えていつもの税関申告書。書類を読んでいるとあることに気づいた。1枚足りない。滞在先の住所などを記載する申告書が足りない。渡された説明書には「質問票、健康カード」のすべてを機内で記入の上、到着後提出となっている。しかし質問票がなかった。

 客室乗務員さんに聞いてみると「デジタル化されたみたいです」とのこと。???。なんだか分かるような、分からないような回答をもらってますます困惑した。

 再び、もらった書類を舐めるように読む。やっぱり納得いかなくて、今度は違う乗務員さんに聞いた。すると、「12月3日午後に羽田に到着する便からは、書類記入が必要なくなりました」という。

 さらに12月3日から14日までは午後に羽田到着の国際線。それ以降は、羽田到着のすべての国際線でこの「質問票」の書類記入が必要なくなったらしい。

 つまりバンクーバー発ではこれが初ということになる。「ちょっとラッキー」と思って安心して到着を待った。ただ最初の乗務員さんのデジタル化という言葉が気になる。が、それも到着してからだろうとゆっくりすることにした。

 機内でのサービスはおおむね通常通り。乗務員さんが防護服のようなものを着ていることもなかったし、食事も、飲み物も、通常通り。最初のANAおつまみとドリンクもサービスされた。この日はサーモンか、ハンバーグの選択肢。乗務員さんおススメのサーモンにした。

 ただエンターテイメントはひどかった。あまりにもラインナップが悪くて、NHKニュースを見ようかと思ったくらいだった。機内誌やサービス案内などはなく、非常用のしおりとイヤホンとエチケット袋だけがポケットに入っていた。

いざ、唾液検査の羽田空港へ

 羽田には予定の6時45分よりも20分ほど早く着いた。着陸後、唾液検査への手順が説明された。まず係員が乗り込んできて、日本に入国する人が先に案内される。国際線へ乗り継ぐ人たちはそのあとということだった。

 順番に降りて案内に付いていく。機内でもらった書類にはあらかじめ記入しておいた。

 まずはどこから来たかという書類「健康カード」をチェックされる。これにはいつからどこで自己隔離をするかもざっくりと記入する。

 それから質問票の記入。これがデジタル化されていた。デジタル化とは何かというと、案内された指定の場所に行くと、そこら中にQRコードが貼ってあって、これをスマホで読み込んで、自分のスマホ上から記入するというもの。スマホがない人にはパソコンが用意されてあった。紙での記入があったのかは分からなかった。あくまでもデジタルで処理ということのようだ。理由はあとで分かった。

 これが結構もたついた。すでに言ったように、デジタル化はこの日が最初で、案内の人もモタモタしていたのだ。スマホでうまく機能しない人も多かったようで、「パソコンでどうぞ」と言われている人も多いと感じた

 記入内容は、これまでの新報リポートにあったのと同じで、氏名や住所、電話番号など。自己隔離をする場所もここで記入する。いくつか場所を記入する箇所があったのをみると、一つの場所に14日間でなくてもよいのではないかと思った。

 例えば、公共交通機関を使わないのであれば、3日間ホテルで、それから迎えに来てもらって自宅とかでもありなのかもしれない。この辺りは、厚生労働省に電話で確認してみると教えてくれそうだ。

 スマホでのすべての記入が終わると自分用のQRコードが発行される。これはあとで最終確認に使う。

 質問表を記入すると唾液検査へ。検査はこれまでの報告と同じ。先が丸くとがった短い試験管みたいな容器とろうとが渡される。試験管には赤い線が記されていて、「ここまで唾液を溜めてください」とのこと。

 パッとみると大した量には思えないのだが、やってみるとなかなか大変。口の中に唾液を溜めて一回入れてみる。で、どれくらいかチェックしてみると愕然。全然足りない。

 これは数回は必要かと気合を入れなおし、口の中に唾液を溜めてはろうとに落とし込んでいく。前にはレモンと梅干しの絵。そんなものがなくても結構唾液は出たので、せっせと唾落としに励んだ。それほど時間はかからなかったが、10回くらいは必要だったのではないだろうか。しかも立ったままだ。後ろ姿はさぞかし情けないだろうと思うと笑えた。

 これでどうだ!と係の人に示すと「十分です!」とお墨付き。フタをして提出。番号のシールを張った紙を戻してもらい最終チェックポイントへ。

入国のための質問票デジタル化は必要か?

 ここでさっきのスマホで記入したQRコードが必要となる。係の人が待っているブースに行くと、パスポートを読み取り装置で読み込ませ、先ほどのQRコードも専用機で読み込ませてくださいと言われる。

 そうすると、係員の持っているパソコンにさきほどの情報が映し出されるようだ。それを基に最終確認。ラインアプリを持っているのでラインでもいいと思っていたが、日本で携帯番号を持っていない人は強制的にそれ以外の電話番号が必要になるようだ。

 スマホでの「質問票」入力時にメールアドレスを記入する場所もあり選択できるのかと思ったがそうではなかった。説明書にもメールアドレスを連絡先とするという説明はなかった。ラインかその他の電話番号だった。

 「14日間自己隔離をお願いします」と念を押されて、これですべてのチェックポイントが終了。あとは検査結果を待つだけ。大丈夫とは分かっていても、検査結果とは結構ドキドキするもので、なにか落ち着かなかった。

 この時間帯に到着した飛行機はバンクーバー便だけみたいで、空港をほとんど一人占め状態。窓の外を見ても飛行機の発着がない飛行場。これはなかなか貴重な体験だった。

 検査結果が出たと自分の番号が電光掲示板に表示されると、結果をもらいにカウンターへ。「陰性でした」という女性の声を聞いてホッ。赤い紙をもらって荷物を取りに出口へと急いだ。

 荷物を受け取るターンテーブルに行くと、すべての荷物は揃えてカートに載せてあり、しかもカートには一人一人の名前が書かれてあった。待っていた係の人に名前を告げるとすぐに探し当ててくれて、荷物を受け取り、税関申告書を提出して、無事に入国完了。受け取った赤い紙を提出する必要がなかったので記念に持って帰った。

 飛行機が到着したのが6時25分、出口から出たのが8時過ぎ。約1時間40分とかなりスムーズだった。

 出口から出ると、いつもと違うガラガラの羽田国際線到着口。ほとんどのサービスは閉鎖されていて、出口付近で待っていた周回バスの係の人たちの声だけが響いていた。

 終わってから、質問票をデジタル化するのはなぜかと思った。今後はもしかしたら入国前に記入できるようになるのかもしれない。それならかなりスムーズになる。カナダではすでにArriveCanが導入されているのに対して、日本はビジネスなら外国人でも入国できるわりには、デジタル化が遅いと感じた。さらに、デジタルに対応できない人に、紙での記入もあった方が絶対に親切だと思った。デジタル化は便利だが、分かりにくいという感は否めない。

 人生初の体験でおもしろい面もあったが、次の帰国には新型コロナが収束していることを願ってやまない。

*記事中の個々のサービスなどに関する感想は取材協力者の個人的な感想です。

(取材 西川桂子)

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