コロナをビジネスの転機に ~目指すは日本の雑貨屋! ギフト・アンド・シングス~ 

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 土産物店が軒を並べるガスタウン。観光名所のスチームクロック(蒸気時計)から徒歩2分の場所にあるスマイリーズギフト(Smileys Gift)もそんな土産物店のひとつだったが、2020年にギフトショップ、ギフト・アンド・シングス(Gifts and Things)として生まれ変わった。地元の人に愛される店を目指している。

ピンチをチャンスに

「フローリングなども自分たちで新しくしました!」とマネージャーの久保さんと スタッフの 平間さん©The Vancouver Shinpo
「フローリングなども自分たちで新しくしました!」とマネージャーの久保さん(右)とスタッフの平間さん(左)。©The Vancouver Shinpo

 Smileys Giftはウィスラーのスマイルギフト(Smile Gift)のオーナー佐藤広樹さんが、2008年にガスタウンの目抜き通りウォーターストリートにオープンした店だ。「ガスタウンの物件はなかなか出ないので、チャンスとばかりに契約しました」と佐藤さんは語った。

 スチームクロックのすぐそばという絶好のロケーションにあり、オープン以来、事業は安定していた。そんな中で突然、パンデミックが始まった。

 外国人旅行者の渡航が制限されて観光客が来なくなった。そればかりか、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州でも不要不急の外出を控えるよう求められる事態になり「スタッフも不安だったと思います」と振り返る。

 アマゾンでも商品を販売していたSmileysはパンデミックの間もオンラインの受け取りや、マスクや消毒剤の販売をするために店を開け続けた。同時に、マネージャーの久保裕也さんなど現場スタッフ主導で方向性を模索した。

 「実はコロナ前からもっと地元の人に来てもらえるような店にしたいという構想はありました」と久保さんはいう。「でも、毎日、店は観光客でにぎわっていて、日々の仕事に追われていました。構想を実現する時間も余裕もありませんでした」

 新型コロナにより営業時間の縮小を余儀なくされた一方で、事業計画を練り直すことができた。「コロナがあったからこそ、想いを実現できました。政府の補助金も出ましたし」と微笑んだ。

ローカルの固定客獲得を目指して

パズルのピースをテーブルに並べて置き、来店のお客様も参加できるようにしている。©The Vancouver Shinpo
パズルのピースをテーブルに並べて置き、来店のお客様も参加できるようにしている。©The Vancouver Shinpo

 観光客のような「一見さん」中心ではなく、ローカルの固定客をつかむため、「いかにもお土産」という商品ではなく、ちょっとしたお礼やあいさつにも使うことができるような、プチギフトやプレゼントが手に入るような店を目指した。

 「ステイホームでパズルが人気です。そこでテーブルにパズルのピースを途中まで並べて置き、来店のお客様も参加できるようにしました。こうすることでできあがりの大きさや難易度が分かります」と、商品を手に取ってもらうために工夫した。

 「購入したあとで、『想像したのと違った』『失敗した』と思うことがなく、より満足いただけるようになっていると思います」と胸を張る。

 さらに「パズルは数種類あるので一つを終えたら、次を…とリピートしてくださるお客様もいらっしゃいます」という。

 Gifts and Thingsは、メイドインBC、メイドインカナダの商品も意識してそろえるようにしている。お土産を探している人にも、いかにも「お土産然」としたものではなく、オシャレなギフトが手に入るような店を心掛けている。

 ただし、スモークサーモンやメープルシロップのようなカナダの定番土産も引き続き扱っている。「商品のうち約3割が従来のお土産でしょうか」と久保さんは説明する。

従来のお土産ものも引き続き一部扱っている。©The Vancouver Shinpo
従来のお土産ものも引き続き一部扱っている。©The Vancouver Shinpo

スタッフ自身の手で行ったリノベーション

 店のリノベーションも行ったとのことだが、パンデミックで遅れがちだという話もある。工事がスムーズに進んだのか聞くと、「実はリノベーションは全て自分たちで済ませたんですよ」といたずらっぽい表情で久保さんは明かした。

 スタッフの誰も大工経験はなかったというが、フローリングの施工などYouTubeの動画を見て作業を行った。店は閉めずに営業を続けながら、少しずつ進めた。

スタッフ自らリノベーションしたGifts and Thingsの店内©The Vancouver Shinpo
スタッフ自らリノベーションしたGifts and Thingsの店内。©The Vancouver Shinpo

 什器も温かみを感じることができる木製のテーブルなどを新たに購入。サボテンや観葉植物の販売も始めたほか、店内にグリーンを配して、ナチュラルな雰囲気を演出した。

 さらにアマゾンでの販売を終了し、自社サイトでのEC(Eコマース)運営を開始した。「アマゾンで利用してくださるお客様もたくさんいらっしゃったのですが、お客様は『商品』を探しに来るので『Gifts and Things』に買い物に来るわけではありませんでした」という。

 「ECサイトを立ち上げたことで、会社の名前を覚えて、リピーターのお客様を増やしたいと思っています」と決意を語った。

 最後にマネージャーの久保さんに、これからの店づくりについて聞いた。「目指しているのは文具やキッチン用品、ガーデニンググッズ、ちょっとしたインテリアなど、なんでもそろう日本の雑貨屋さんです。地元のお客様が気軽に立ち寄って、楽しくお買い物をすることができるお店です。」

「目指しているのは文具やキッチン用品、ガーデニンググッズ、ちょっとしたインテリアなど、なんでもそろう日本の雑貨屋さんです」と久保さん ©The Vancouver Shinpo
「目指しているのは文具やキッチン用品、ガーデニンググッズ、ちょっとしたインテリアなど、なんでもそろう日本の雑貨屋さんです」と久保さん。©The Vancouver Shinpo

Gifts and Things
359 Water Street, Vancouver
TEL: 604-932-0155
https://giftsandthings.ca/
営業時間: 11:00am~8:00pm 
インスタグラム: https://www.instagram.com/giftsandthings.ca/