ハチドリを寒さから救う

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冬見かけるのはアンナハチドリ。Photo courtesy of Manto Artworks
冬見かけるのはアンナハチドリ。Photo courtesy of Manto Artworks

 宝石のような美しい色のハチドリ(ハミングバード)。花の中にクチバシをさしこみ、蜜を吸う。1ドルコインよりも体重が軽いという小さな鳥で、高速で羽ばたいて空中で静止する、ホバリングでも多くの人を魅了する。

 カナダでは冬が訪れる前に南に渡るハチドリが多い。一方、冬にも見かけるのはアンナハチドリで、年間を通して太平洋岸に生息している。

 しかし、12月22日から30日までの間、氷点下10度前後まで気温が下がったり大雪が降ったことで、傷ついたハチドリが52羽、BCワイルドライフ・レスキュー・アソシエーションに搬送された。

 ハチドリを助けるためにどうすればいいか、アドバイスを求める問い合わせも急増したという。

 BCワイルドライフ・レスキュー・アソシエーションがウェブサイトでハチドリを救う方法をアドバイスしているので紹介する。 

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地上に落ちているハチドリを見つけたら?

 地上に落ちていて動かない、死んだようなハチドリを見つけても、土に埋めたりしないようにとアドバイスしている。「torpor(休眠)」状態になっていることもあるためという。

 ハチドリは冬眠しないが、寒い冬の夜には、エネルギーの消耗を防ぐために休眠状態に入ることがある。通常1分間1,260回の心拍数がなんと50回以下となり、体温も40℃から18℃にまで下がる。さらに代謝が高い鳥なので、休眠することにより一晩で体重が1割減ることもある。

地上に落ちているハチドリを見つけたら
・タオルを使ってハチドリを拾い上げる。
・ハチドリとフィーダーを箱に入れて、箱を閉じる。箱に忘れずに空気穴をあけること。
・アソシエーションに搬送する。
・すぐに搬送できない場合は、屋内の暖かく、暗く、静かな場所に箱を置く。

アソシエーションに連れていくことができない場合は、休眠から覚めたら屋外に放つ。様子を確認するときには、屋内に逃げ出したりしないように気を付けるが、逃げてしまったら
・フィーダーを使って、外へ誘い出す。
・スマートフォンのハチドリの音を使って外へ誘い出す。

フィーダーの準備・手入れ

 砂糖水を入れたフィーダーがあるとハチドリが訪れるようになる。ただし、冬にフィーダーを用意する場合は注意が必要という。適切な準備をしないと、砂糖水にカビが発生してハチドリが病気になったりと、危害を与えることもある。

砂糖水の作り方
材料
グラニュー糖 1カップ
水 4カップ

水を沸騰させて、グラニュー糖を溶かす。

注意)
*ハチミツ、ブラウンシュガー、アイシングシュガー、ジュース、人工甘味料などは混ぜてはいけない。
*市販のハチドリの餌ミックス(砂糖水の素)を使うと赤い水ができるが、ミックスを使わず自宅で用意する場合は、食紅を使う必要なし。

フィーダーは清潔に!

 砂糖は時間が経つと発酵する。発酵して化学分解した砂糖水はハチドリにとって有毒なので、3〜5日ごとにフィーダーを掃​​除することが重要という。バクテリアやカビの繁殖を防ぐために、フィーダーは湯を使ってブラシで洗う。その際、フラワーフィーダーもキレイにする。

 清潔に保つことができるフィーダーを選ぶことも大切で、シンプルなデザインがベスト。凝ったデザインのフィーダーは見た目は美しいが清潔に保つのが難しい。

 メンテナンスの目安としては、砂糖水を変えるときにフィーダーを掃除するのが良い。夏は数日ごと、冬は1週間ごと。

気温が下がった時には

 フィーダーが凍らないように気を付けてあげたい。

・雪を避けるため、フィーダーを屋根のあるポーチなどに移動させる。
・フィーダーを二つ用意して、一つが凍ったら、別のフィーダーを出す…というようにローテーションさせて、餌である砂糖水にハチドリが常にアクセスできるようにする。
・窓に取り付けるタイプの「Window Feeder」の利用も一案。温かい室内の温度で凍りにくくなる。
・ガラスのフィーダーならライトで飾る。ただし、LEDは使用しないこと。

クリスマスライトのようなライトでフィーダーを飾るのも一案。

BCワイルドライフ・レスキュー・アソシエーション
Wildlife Rescue Association of BC
5216 Glencarin Dr. Burnaby, B.C.

TEL:
604-526-7275

バーナビーレイクの一角にある、BCワイルドライフ・レスキュー・アソシエーション。ハチドリ以外にも傷ついた鳥の保護を行っている。

(取材 西川桂子)

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