備えあれば憂いなし?! 車に常備したい緊急用品

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 集中豪雨がブリティッシュ・コロンビア(BC)州を11月13日から15日にかけて襲ったことで、洪水や土砂崩れが発生。リルエット付近で発生した土砂崩れでは4人が死亡し、1人が行方不明となっている。

 東へ向かうコカハラハイウェイや西へのハイウェイ1号、7号線などが通行停止となったホープでは、約1200人が足止めとなった。中にはケロウナでのトーナメントを終えて、メトロバンクーバーに戻ってくる途中のホッケーチームも数チーム含まれた。一部の人らは車を置いてヘリコプターで帰宅したが、大半は避難所となった高校の体育館や、あるいは車内で道路の復旧を待った。

 ハイウェイ7号線が復旧したのは17日の5時のことだった。

懐中電灯、ラーメンや飲料水、毛布は車に常備

 ボストンバーに出かけていて、ホープで足止めになった日本人男性に話を聞いた。ハイウェイ1号で帰宅するつもりが通行止めだったため7号線へ。しかし7号線も土砂崩れで動けなくなった。13日は暗闇のハイウェイで車中泊したが、翌日にホープまで戻ったという。

 「車には毛布や懐中電灯、飲料水、インスタントラーメンやパワーバーのような食料を普段から用意しています。でも、食料もなくなってくるし、ガソリンスタンドに行き、追加の水や食料を確保しました」とバンクーバー新報の取材に答えた。

 ホープは比較的大きな街でグローサリーストアも数軒あり、生鮮食料品以外の食料品は手に入った。また、ヘリコプターが物資を運んでいたという。ただし、3日間、帰宅することはできなかった。

 今回の経験で「今後は車に寝袋も載せておこうと思いました。毛布はありましたが寒かったです。常に最悪の事態を想定して、準備をしておくことの大切さを実感しました」と語った。

土砂崩れに巻き込まれた女性が語った、準備しておけばよかったもの

 ハイウェイ7号線のアガシーとホープ間で、土砂崩れに巻き込まれたものの助かったチェルシーさんは、その経験をFacebook上に投稿している。サマーランドの友人を訪ねて、帰宅する途中だったという。

 1号線が閉鎖されていたため7号線に迂回、道路をめがけて滑り落ちてくる木に気付いた直後には土砂に巻き込まれていた。1キロほど流されて、ようやく停止。シートベルトをはずして、壊れたサンルーフから外に出ることができた。車の上には木が倒れていた。

 後ろを走っていた、大学生4人が乗っていた車も土砂に流されたが、全員無事だった。チェルシーさんが被災したときに身に着けていたのはパーカーとサンダルのみ。ジャケットや靴は履いていなかった。大学生らも薄着で、4人で1枚のジャケットで暖を取ろうとしていた。5人は震えながら、5時間半、救助を待つことになった。

 土砂崩れは午後7時ごろに発生して、救助されたのは深夜12時半ごろだった。長い5時間半だった。

この体験から
- 運転席側にシートベルトカッターと脱出用ハンマーのような窓を割るものを用意しておく。
- 車内では適切な靴を履いて、ジャケットを手の届く場所に置いておく。
- キーチェーンに救急用ホイッスルをつけておく。
- 懐中電灯、キャンドル、ライターを準備しておく。
などとアドバイスをしている。

 「車に閉じ込められたときには、ヘッドレストの金属部分を使って窓を割ることもできる」、「あるいはリアガラス(後部窓)を蹴って脱出することもできる」とチェルシーさんは書いている。*

*国土交通省の「自動車ユーザーの皆様へ ―車両からの脱出手順について」には、「ドアも窓も開かない場合は、脱出用ハンマーで窓を割って脱出する。ただし、フロントガラスに使 用されている『合わせガラス』は、割れません。更に、一部の車種では、ドアガラスやリアガラス にも『合わせガラス』が採用されていることがあります」とある。

 ハイウェイ7号線のアガシーとホープ間では複数の場所で土砂崩れが発生して、道路で数百人が立ち往生となり、カナダ空軍が救助した。救助されたのは311人、犬26匹、猫1匹だった。

カナダ空軍が救助の様子をTwitterに投稿している。

カナダ政府が勧める車載用防災グッズ

 今回の豪雨で防災用品の準備の必要性について改めて考えたという人も多いのではないだろうか。カナダ政府の災害に対する備えについてのウェブサイト、「Get Prepared」には車載用防災グッズのリストがある。

基本の車載防災グッズ

・食料
 グラノラバーなど日持ちのするもの
・飲料水
 6カ月に一回入れ替える。凍っても割れないようにペットボトルのもの。
・毛布
・予備の洋服と靴
・救急セット
・シートベルトカッター
・小さなスコップ、アイススクレーパー
・ロウソクとマッチ
・手回し充電ライト
・ホイッスル
・地図
・緊急時プラン

トランクに入れておくもの
・砂、融雪剤、猫砂
・アンチフリーズ(不凍液)/ウインドウォッシャー液
・牽引ロープ
・ブースターケーブル
・消火器
・非常信号灯または発煙筒

 日本自動車連盟 (JAF)によると、砂は「スタックしてタイヤが空転したときに、滑り止めの砂を使うとスタックから脱出できることも」あるため、雪道を走る前の準備として勧めている。スコップは、「駐車場に積もった雪の除去や、スリップして動けなくなったときの除雪作業などに便利」という。

 毛布は車内での防寒具としてだけではなく、雪道でスリップして動けなくなったときに、タイヤと雪の間に挟めば、脱出することができる。

Preparing an Emergency Kit for Your Car
https://www.getprepared.gc.ca/cnt/rsrcs/sfttps/tp201012-en.aspx

Emergency Car Kit
https://www.getprepared.gc.ca/cnt/kts/cr-kt-en.aspx

雪道を走る前に準備しておきたいものとは?
https://jaf.or.jp/common/kuruma-qa/category-natural/subcategory-snow/faq143

(取材 西川桂子)

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