BC州政府、住宅購入者を守るための法律改正案を発表

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 メトロバンクーバーでは不動産価格が高騰し続けていて、一般市民が住宅を購入するのは難しくなっている。また、需要に対して住宅が不足していることから、「売り手市場」で、買い手が購入オファーを行う際に条件を付けると不利になっているという。

 このような状況を改善しようと、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府が、財産権法改正案を3月28日に発表。厳しい不動産市況の中でマイホームを購入する人を守るために、新たに「住宅購入者保護期間」を設けることを目指す。

 この期間は「取消権」とも呼ばれ、導入により購入希望者はオファーについて検討する時間や、住宅ローンを組み、住宅の状態を調べる「ホームインスペクション」を行う時間を確保できるようになる。また、改正は州内の地域格差にも配慮して行われる。

 住宅購入者が取消権を行使することができる期間と、 オファー撤回のコストについてなど詳細は、今年中に発表される。

 改正案についてのプレスリリースでセリーナ・ロビンソン州財務大臣は、「住宅購入は人生で最も大きな金銭的決断であるため、購入者の保護が必要です」と述べた。住宅市場が加熱しているため、現在、買い手は条件を放棄してオファーを行っている、あるいは売買契約を結んでから物件に大きな問題があると分かるというのが現状となっている。

 そのため「州政府は、マイホームを買う人が必要な情報を得て、適切な判断をする時間を確保し、売り手側も確信を持って販売契約を結ぶことができるようにしたいと考えています」と説明する。

 州政府のこの改正案について、REMAXリマックス不動産グループのフレッド吉村さんに話を聞いた。

 「不動産業界は(この改正案に)強く反対をしています。詳細はまだ発表されていませんが、導入は売り手にとって著しく不公平になるでしょう。

 買い手側は(住宅購入者保護期間は)無条件で一方的に契約解除ができることから、複数の物件に同時にオファーを行い、複数の購入契約をしてから最終的に1軒を選ぶことも可能になります。明確な期間は発表されていませんが、売り手は例えば7~10日間、本契約を保留にされ、その後、一方的に明確な理由もなく契約解除されるということも起こります。

 業界は逆に売り出しから契約交渉開始までに一定期間を設け、その間に買い手が物件を精査する方がより現実的と指摘しており、ほとんどのアナリストもこの新制度によって不動産市場がクールダウンするとは考えられないと分析しています。

 また、売り手は、保留期間(住宅購入者保護期間)はほかの売買契約を結ぶことはできず(バックアップを除く)、一方的に契約解除された際の被害は甚大となります」

 プレスリリースで州政府は業界の声として、「BC州のマイホーム購入者一人ひとりが実際に家を購入する前に自分でデューデリジェンス*を行う機会を持てるようにして、ホームインスペクションを受けずに家を買うという大きなリスクは避けることができるようにするべきです」という、BC州ホームインスペクター協会ヘレン・バートンさんのコメントを紹介している。 

*注) 物件についての情報を入手して、その情報を調査すること。

BC州政府のニュースリリース
https://bcgovnews.azureedge.net/translations/releases/2022FIN0012-000424/Homebuyer_Protection_Japanese.pdf 

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