財務相にフリーランド副首相が就任

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 ジャスティン・トルドー首相は辞任したビル・モルノー前財務大臣の後任にクリスティア・フリーランド副首相を任命した。

 18日には就任式が行われ、カナダ初の女性財務大臣が誕生。副首相との兼任で名実ともにナンバー2となった。

 フリーランド副首相が兼務していた政府間関係大臣にはドミニク・ルブラン枢密院議長が就任した。

 会見に臨んだトルドー首相は、カナダは新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ経済を回復させるための長期的なビジョンが必要と新体制の理由を説明した。

 モルノー前財務大臣にこれまでの5年間について労いと感謝の言葉を述べたが、前大臣が辞任を申し出た時に引き留めたかとの質問には回答を避けた。

カナダ初の女性財務大臣誕生に「当然のこと」

 カナダで初の女性財務大臣に就任したことを聞かれ、「もちろんそのことは意識している」とフリーランド財務相は答えた。

 「いつかは突破する壁だった」と語り、女性の登用を積極的に行ってきたトルドー政権では当然のことと副首相。そして全国の女性へ「これまでカナダというすばらしい国でがんばってきたすべての女性に、走り続けてほしい」とメッセージを贈った。

 新型コロナでは特に女性、子どもを持つ女性に大きな負担がかかっているとの認識を示し、女性であり、母である自分が同じ立場で財務大臣として意見を言える時が来たと女性目線での舵取りを強調した。

 モルノー前財務大臣はトルドー首相との意見の食い違いがしばしばメディアで強調された。それがこの時期での辞任の要因の一つとみられている。

 記者からは首相と意見が異なる場合はどうするのかと問われると、「ちょうどそのことについて首相と話していたところ」と笑顔を見せ、「個人として意見が違うことは当然これまでもあったし、これからもあると思うが、公にはともに力を合わせて政権を運営していく」と協力体制を約束した。

名実ともにナンバー2に、将来の首相候補とも

 第一次トルドー政権では国際貿易大臣、外務大臣を務め、アメリカのトランプ政権下で舵取りが難しい新北米自由貿易協定(USMCA)の締結やアルミニウム関税問題にかかわったほか、国際関係問題を一手に引き受けた。

 第二次政権では副首相としてだけでなく政府間関係大臣として、保守党系政権が占める国内州政府との調整役として活躍した。

 新型コロナウイルス感染拡大後は、首相夫人の感染でトルドー首相が自己隔離をしている間、国民への説明責任を果たし、毎日記者会見をこなすなど政府の顔として奮闘していた。

 メディアの間では「問題解決請負人」と評されている。新型コロナ対策で支持率が上昇したトルドー首相と自由党政権だったが、首相とモルノー前財務大臣が起こしたWEチャリティスキャンダルで支持率は再び降下気味。巨額の負債を抱えることになった少数派政権として決して状況がいいとは言えない。

 名実ともにナンバー2となったフリーランド副首相。将来の首相候補との呼び声も高い。

 果たしてカナダ初の女性財務大臣として、副首相として、スキャンダルに見舞われた自由党の救世主となれるのか。その活躍が注目されている。

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