VIFF2020 バンクーバー国際映画祭! 

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自宅で楽しめるオンラインの映画祭

 今年で第39回となる恒例のバンクーバー国際映画祭。1982年から非営利団体としてBC州の映画産業を推進するために発足されたバンクーバーの大イベントは、9月24日から10月7日までの期間限定で開催される。

 今年は新型コロナウイルス感染拡大のため、前年のようなレッド・カーペット、多数のゲスト来場、舞台挨拶など派手なパフォーマンスは行われない。海外からの旅行制限で新作映画のプレミアがキャンセルされるなど支障も出た。

 だが VIFFコネクトという新しいオンラインのプラットフォームから、BC在住者に限り今年は自宅でゆったりと好きな映画を鑑賞できる。

 オンラインと一部のシネマ上映が主となり、世界各国の様々なジャンルの映画が100本以上、またトークやパフォーマンスを含んだイベントもプログラムに含まれている。

 VIFFコネクトは映画館と同じようにキュレイターつきで、監督のQ&Aも多く登場する予定だ(録画されたものもあり)。一部のライブ上映以外は9月24日から10月7日まで鑑賞できるシステムとなっている。

 さらに例年義務付けられてきたVIFFメンバーシップ購入制度がなくなり、映画のストリーム代のみが請求される。定期券はオンラインの映画に有効で、劇場上映には別途料金が求められる。売り切れが出るのでチケット購入はお早めに。

2020VIFF:Vancouver International Film Festival

開催期間:9月24日(木)正午から10月7日(水)まで
ウェブサイト: https://viff.org/

上映劇場:

・The Cinematheque (1131 Howe Street, Vancouver)
・VIFF Centre Vancity Theatre (1181 Seymour Street, Vancouver)

VIFFチケット

映画オンラインのストリーム $9 
VIFFトークスとイベント   $10
Festival 定期券(VIFF Connect Festival Subscription)
すべてのオンライン映画やトークを一回ずつのみ鑑賞できる
 一般:$60
 学生:$30
Gold 定期券(VIFF Connect Gold Subscription)
期間中、ゴールドのみアクセスできるコンテンツあり。全てのオンライン映画上映、コンテンツが見放題で、ゴールド・メンバーシップは一年間有効。
イベントとシネマ上映
大人のみ シングル $15 ペア $30

他にギフトカード($25、60、90)が購入できる。

最新の日本映画は全て決まった時間のオンライン上映のみ。

Gateway(ゲートウェイ)

 東アジア系の映画を集めたゲートウェイ部門。今年は日本から3本の長編映画がやってくる。

バンクーバー新報がメディアスポンサー!

Dancing Mary 
ダンシング・マリー

幽霊の願いを叶えてあげたい
監督:SABU
2019年 105分

 ベルリンなど多数の国際映画祭で活躍しているSABU監督の最新作で、主演はEXILEのNAOTO。

 新しい開発土地に古くから幽霊が出ると噂されているダンスホールがあった。即、処置を命じられた公務員の藤本研二(EXILEのNAOTO)は、霊能力のある高校生の雪子(山田愛奈)に除霊を依頼するが…。

 アクション、ロマンス、そしてジャズ音楽と揃ったSABU監督の、人間味あふれる映画にほろっとさせられる。俳優、石橋凌のヤクザ役はカッコ良くて必見。

A Life Turned Upside Down: My Dad’s an Alcoholic
酔うと化け物になる父がつらい

家族の愛と家庭問題を問う映画
監督:片桐健滋
2019年 95分 

 実際にアルコールにおぼれる父を持った作者によるコミックエッセイの実写映画版。

 普段はおとなしいがお酒を飲むと人格の変わる父、田所トシフミ(渋川清彦)と新興宗教信者の母を持つサキ(松本穂香)は、小さい頃から自分の心を閉ざしながら生きてきた。漫画家を目指すサキは初めてのボーイフレンドから虐待を受け、全てにおいて父に冷たくあたる。だがある日、その父が病気になり人生を見直す…。

 俳優の渋川がどうしようもなく憎めない父親を好演している。

The Town of Headcounts 
人数の町

何もしないで生きるということ
監督:荒木伸二
2020年 111分

 毎日がつまらなく人生に嫌気をさしていた若者、蒼山哲也(中村倫也)が、簡単な作業と引き換えに衣食住が保証され、女性との交際も簡単に満たされるというミステリアスな世界へと誘われる。だがその『町』は心の冷たい住民にあふれ、決して離れることのできない奇妙な場所だった。

 共演に石橋静香と立花恵理。脚本も書いてこの映画が初の長編作となる荒木監督は、人間がどんどん『人数』になっていることが怖いと訴える。

Altered States(アルタード・ステイツ)

 これまでのジャンル通りでなくどこに位置づけしたら良いのか迷ってしまう、型破りな作品を集めたアルタード・ステイツ・セクション。ここにも日本映画が一本登場する。

Special Actors 
スペシャルアクターズ

俳優にしかできない痛快コメディー
監督:上田慎一郎
2019年 109分

 VIFFで大好評だった『カメラを止めるな』の上田慎一郎監督の劇場長編映画第2作目。

 極度に緊張すると気絶してしまうため、俳優として成功できない大野和人(大澤数人)は、弟の宏樹(河野宏紀)に誘われて、演じながら人の悩みを解決する何でも屋の俳優事務所『スペシャルアクターズ』に入社する。ある日先祖代々から受け継いできた旅館をカルト集団『ムスビル』から守ってほしいという依頼がきて、和人が中心メンバーに選ばれてしまう…。

 最後まで目が離せない恐怖&コメディー映画。

(文:Jenna Park、写真提供:VIFF)