BC州政府、強制移動を経験した日系シニアの健康維持に200万ドル

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BC州政府が高齢化する日系人強制移動経験者の健康維持への支援金を発表した会見の様子。Photo by ©︎The Vancouver Shinpo
BC州政府が高齢化する日系人強制移動経験者の健康維持への支援金を発表した会見の様子。Photo by ©︎The Vancouver Shinpo

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州政府は、高齢化する日系人強制移動政策経験者の健康を維持増進するために200万ドルを支援すると5日発表した。

 日系シニアズ・ヘルスケア住宅協会(Nikkei Seniors Health Care and Housing Society:NSHCHS)が、対象となるシニアへの健康増進プログラム開発と提供を担当する。また、全カナダ日系人協会(NAJC)と共同で、これらのシニアを支援するほかの日系カナダ人機関にも資金を提供する。

 会見に同席したNSHCHS元事務局長キャシー・マキハラ氏は、認知症対応ワークショップ、強制移動経験者が再会できるイベント、シニアにもわかりやすいテクノロジーの使い方、シニアグループ活動のための機器アップグレードのほか、体験談を語る「ストーリーテリング」などの活動も考えていると説明した。

 また強制移動経験者はすでに80代、90代と高齢になっているため、早急に対応するとして、来週後半にはプロジェクト事務所が立ち上がると語った。

 BC州政府の反差別主義イニシティブ担当ラチナ・シング議員(サレー・グリーンティンバーズ選挙区)は、今回の支援について「この助成金は、コミュニティが受けたトラウマを永続的に認識するための第一歩であり、今後1年間、全カナダ日系人協会と協力して、2022年以降も日系人強制移動についての認識の機会を明確にする」と約束。今回は、強制移動を経験した日系人シニアのための医療・社会福祉プログラムに的を絞った支援の提供を求めるNAJCの提言に応えるものと説明した。

カナダ政府による日系カナダ人強制移動政策

 カナダ政府は、1941年12月7日(太平洋標準時)日本軍のアメリカ・ハワイ州真珠湾攻撃を理由に、1942年ブリティッシュ・コロンビア(BC)州に在住する日本を出自とする日系人に対し、BC州沿岸から100マイル以東への移動を強制した。

 移動を強いられたのは約22,000人で、その多くがカナダ生まれのカナダ人だった。

 強制移動政策は戦争が終わっても続き、49年4月1日にようやくBC州沿岸に戻ることが許された。

 その後、日系コミュニティによるリドレス運動が実を結び、1988年9月にカナダ政府が強制移動させられた日系人に対し公式謝罪した。

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