休業は避けたい!感染症対策に努めるウィスラー

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世界有数のスキーリゾート、ウィスラー ©野口英夫
世界有数のスキーリゾート、ウィスラー ©野口英夫

 ウィスラーでは今年1月になって新型コロナウイルス感染者が急増し、感染の “ホットスポット”となった。現在のウィスラーの様子について、バンクーバーコスタルヘルス(VCH)が発表した感染者数のデータと、現地在住者への取材でまとめた。

ウィスラーの感染者増加ペース鈍化か

 VCHは2月10日、ウィスラーでの新型コロナウイルスの感染者が前の数週間と比較して減少したと発表した。2月8日の時点で新たな感染者は43人だった。ただ、今年に入ってからの累計は既に614人に達している。

 ウィスラーで急激な感染拡大が確認されたのは1月中旬のこと。感染者の数は増え続け、1月26日までに累計288人を記録した。2020年の累計感染者数は271人、1カ月足らずで昨年1年間の数字を上回った。

 さらに1月26日から2月2日で新たに259人が感染して累計547人*となった。
*2月2日までの累計感染者数に漏れがあったとして、2月5日24人追加して、571人に修正された。

 VCHによると、感染者の大半は20~30歳代の若者で、スタッフアコモデーション(スタッフ用宿舎)などで一緒に暮らしていたり、職場が同じ、あるいは遊び仲間の間で感染が広がったという。

ウィスラーだけではないスキー場の感染拡大

 スキー場での新型コロナウイルス感染拡大はウィスラーだけではない。ブリティッシュ・コロンビア(BC)州内陸部ケローナに近いビッグホワイトでも昨年12月15日に新型コロナウイルスのクラスター発生が明らかになった。

 ビッグホワイトではクラスター発生が分かってすぐに安全対策を強化した。利用者は周辺地域の住民のみとし、バンクーバーをはじめとする域外からの予約をキャンセルして返金を行った。しかし、その後も感染者は増え続け1月5日には累計136人、19日に203人を記録した。

 同様にBC州南東部でアルバータとの州境に近いファーニーでもクラスターが発生した。

 ファーニーでは今年になってから新たに感染した人は81人にのぼり、1月27日にはインテリアヘルスがコミュニティクラスターの発生を宣言した。

 ウィスラー、ビッグホワイト、ファーニーと3カ所のリゾートとも、クラスターは社交的集まり(Social Gathering)が主な原因としている。 

現在、スキーリゾートに行くことはできるのか?

 BC州で発令している公衆衛生命令に 従えば、不要不急の旅行は避ける必要がある。

 同州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士は、クリスマス直前の昨年12月21日の会見で「スキーに行くときはステイローカル、地元でお願いします」と述べた。

 しかし、2月5日の会見では一転して、バンクーバーに住む人は日帰りでウィスラーに行くことができるとの見解を示した。

 「スキーに行くことはいいのです。(スキーの)前後での、パーティ、社交的集まり(Social Gathering)が問題です」と語った。感染拡大は、パーティや社交的集まりによるもので、スキーを楽しむこと自体は安全だという。

山を止めるな!ウィスラー在住者の想い

 ヘンリー博士は昨年12月21日の会見で「ウィスラーは列の作り方など、とてもよくやっている」と、ウィスラーの感染対策を評価した。「ただし、一人ひとりがもう少し努力する必要もある」との考えだ。

 ウィスラーではさまざまなコロナ対策を実施している。

 リフトチケットについては、窓口での販売は行わず、オンラインでの購入のみで、予約制となっている。

 さらに、スキーやスノーボードのレッスン、ホテル宿泊費、レストランでの飲食代をはじめ、支払いもオンラインでのキャッシュレスで接触の機会を減らした。

 マスクについても、屋内、ゴンドラやチェアリフトに乗るために並んでいるときなど、滑っているとき以外は着用が求められている。3層以上の構成となったマスクで、鼻と口を完全に覆っていることが必要だ。

 ウィスラー在住の野口英夫さんに今シーズンのウィスラーの様子について聞いた。

 野口さんは「ゲレンデレストランも予約制で、集まりすぎないようにとてもよくコントロールされています」と説明する。

朝はリフトに並ぶ人の列がビレッジの中まで達する © 野口英夫
朝はリフトに並ぶ人の列がビレッジの中まで達する © 野口英夫

 感染者が急増してから、リフトに並ぶ人で長蛇の列ができている様子などウィスラーの混雑の様子が報じられてきた。野口さんに聞くと、今年は確かに朝のリフトやゴンドラ前は混雑しているという。

「新雪が降った日は平日、週末にかかわらず混んでいます。列は長くなりますが、ソーシャルディスタンスで間隔を開けているので長さの割には(進むのは)早いです」

バブル外の人と同じリフトに乗る場合は2席空ける ©野口英夫
バブル外の人と同じリフトに乗る場合は2席空ける ©野口英夫

 さらに「ゴンドラはコアバブル以外は、8人乗りでも1人で使います」という。

 相乗りを制限しているために、リフトやゴンドラの処理人数が少なくなっている。「朝のゴンドラに乗るためだけには例年の倍以上の時間がかかります」

 朝の行列は長いが、広大なゲレンデで知られるウィスラー・ブラッコム。野口さんによると「ゲレンデはスカスカなので滑り放題」という。

野口さんは「ゲレンデはスカスカなので滑り放題」という ©野口英夫さん
野口さんは「ゲレンデはスカスカなので滑り放題」という ©野口英夫

 「ウィスラーでの感染は、スタッフアコモやシェアハウスなどからで、陽性者も若者が多いようです。

 ゲレンデの感染症対策は一言で言うと“優等生”です。ウィスラーローカルとしては『山を止めるな』っていう気持ちは強いと思います。個人個人では『マスクなんか』って言う人もいるでしょうが『みんなが安心するなら』、『ルールなら』と素直に従っています」と説明した。

 BC州政府は2月12日、スキー場での新型コロナウイルス感染拡大防止のための啓蒙キャンペーンを開始すると発表した。

(取材 西川桂子)

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