コロナ禍における親と子どものココロのケア(更新)

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JAMSNETカナダ、コロナ渦での子育てと心のケアセミナーを開催

 JAMSNETカナダ(カナダ邦人医療支援ネットワーク)がトロント日本商工会の協賛で6月12日、「オンラインセミナーコロナ渦での子育てと心のケア」を開催した。セミナーは12歳以下の子どもの子育てに携わる人を対象に行った。

 また、6月27日にはセミナーのビデオがYouTubeで公開された。
https://www.youtube.com/watch?v=AA5oyqUr7H8

 事前アンケートを基に、新型コロナの社会が子どもに及ぼす影響、学業への不安、脳や社会性の発達レベルに合わせたしつけが効果的なこと、親や子のストレスへの対処法やスクリーンタイムのとらえ方と上手な使い方をはじめ、12歳以上の子どもを持つ親、あるいは子どもがいない人にも参考になる話で構成されていた。

 セミナー参加者は、オンタリオ州とブリティシュ・コロンビア(BC)州を中心に約60人。また親だけではなく、70歳代の祖父母世代も参加していた。

 講師を務めたのは、心のケアの専門家でサイコロジスト(臨床心理博士)の許斐由起子さん。「親のストレス対策」「子どもとのコミュニケーションの取り方」「子どものSOSサイン」などについても分かりやすく説明した。

 新型コロナ禍で子育てをする側もストレスがある。親のストレス対策としては
・ヨガやストレッチなどの運動で、身体をほぐす
・入浴することで副交感神経が刺激されるため、40度程度のお風呂にゆっくりつかる
・椅子に座って1分でもいいので瞑想の時間を取る
・ペットを「モフモフ」する
・ハグをする
・笑う。口角を上げるだけでも脳がリラックスしていると勘違いしてくれるので、箸やペンで上げてもいい。あるいはコメディを見る。子どもとくすぐり合うなど
・カラオケやダンス。前頭葉を活発にするほか、セロトニンの分泌を促す
・趣味の時間を確保する
などを紹介した。

 趣味を楽しむことはうつ病の治療にも効果があるという。

 また、子どもとのコミュニケーションの取り方については、
・ながらではなく、目を見て話す
・忙しいときは「5分待ってね」というように、いつ話ができるのか伝えて、話せる機会を待つ習慣を子どもにつけるようにする
・子どもの話は否定しないで、まずそのまま受け取る。話すことは気持ちを落ち着かせるのによい
・スキンシップを大切に。例えば時間があるとハグしてあげる
・話をするときは子どもの近くで
・1日1食は子どもと一緒に食事をする
など。コロナ禍でなくても、子育てするうえで役に立つアドバイスがあった。

 コロナ禍の子育ては親のストレスも大きい。最後に「心身の健康を優先に、ゆるゆるがんばりましょう」と許斐先生は締めくくった。

 セミナーの内容は後日、YouTubeでの配信を予定している。

講師

許斐由起子さん
東京出身。1996年よりカナダ在住。JAMSNETカナダ理事

2001年より臨床心理学を大学院で履修のかたわら病院、学校、刑務所などにおいてサイコセラピー、心理検査を行う。2008年、Adler School of Professional Psychology(シカゴ)を卒業、臨床心理学博士号を取得。過去の主な勤務先にOntario Shores of Mental Health Sciences、Warkworth Institutionなど。Durham Collegeにて非常勤講師の経験あり。

2010年よりDurham Psychologistsを設立。心理カウンセリング(サイコセラピー)とさまざまな心理検査を実施しているほか、RCMPの警察官候補生選別審査も行なっている。

College of Psychologists of OntarioにClinical, Counseling, Forensic, Rehabilitationを専門にPsychologistとして登録(番号 4700)。2児の母。

司会

林あすみさん
埼玉県出身。2000年より北米在住。JAMSNETカナダ会員

2015年トロント大学看護学部卒業。地域精神保健のケースマネージャーとして勤務後、トロント市の保健師として子育て支援に携わり、現在は新型コロナ対策部で奮闘中。3児の母。

【子育てで悩んでいる人の支援先】
セミナーで紹介された役立つリンク

・Youtubeの見過ぎを防ぐ設定方法(日本語)
https://exploring4ever.com/tips-to-control-youtube-addiction/

・カナダ保健省 Public Health Agency of Canadaのメンタルヘルスの支援(英語)
https://www.canada.ca/en/public-health/services/mental-health-services/mental-health-get-help.html

・Durham Psychologists :
日本語で許斐先生の診察診療を希望する場合(16才以上)
https://durhampsychologists.ca

・カナダの緊急でない24時間電話健康相談窓口
BC、アルバータ、ケベック州: HealthLink(811)、オンタリオ州: Telehealth Ontario(1-866-797-0000)など、州により呼び名や番号が違う。
英語が苦手でも「Japanese please」と言うと同時通訳をすぐに手配して3者通話してくれる。

・国立成育医療研究センターの「新型コロナウイルスと子どものストレスについて」のウェブページ(日本語)
http://www.ncchd.go.jp/news/2020/20200410.html

ジャムズネット(Japanese Medical Support Network: JAMSNET)邦人医療支援ネットワーク
医療、福祉、教育系邦人支援グループ同士の情報交換、相互連携の構築を目的として設立された。

ジャムズネットカナダ
2014年に発足、2017年に法人化、慈善団体登録。2021年から日本で医療的な訓練や教育を受けた学生がカナダで資格認定を受けるため奨学金の給付を開始。
寄付は5ドルから受け付けている。10ドル以上の寄付には領収書を発行。法人のサポート会員も随時募集。
www.jamsnetcanada.org

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